「エコマークアワード2016」受賞者が決定しました。
表彰式は、2017年2月27日に開催する「エコマークフォーラム」(会場:東京ウィメンズプラザ(東京都渋谷区))にて行います。
直営4ホテルすべてでエコマークを同時に取得
~国際的ベストホテルを目指す企業として、快適性・安全性・利便性の追求と環境配慮を実現~
<選考委員会評価コメント>
株式会社帝国ホテルは、日本を代表するホテルに相応しい最上級の“おもてなし”と、環境配慮を極めて高いレベルで両立させている。客室ゴミの20種類にも及ぶ分別や、エネルギー使用量の削減、食品廃棄物由来の肥料により育てた野菜などのメニューへの採用など、社内外の連携による環境活動を追求した結果、CO2排出量や廃棄物の大幅な削減に成功している。大勢の従業員が働くホテルにおいて、「環境負荷を減らす」、「環境にいいことを増やす」、「活動を広く知ってもらう」の考えのもと、全社横断的な体制で社内の課題や提案を集め、環境活動の領域を着実に広げてきた継続性と社員一人ひとりの高い志による努力も素晴らしい。国際的ベストホテルを目指す企業として、日本のホテル業界をリードするとともに、環境に配慮したサービス・おもてなしを海外にも発信していくものと期待する。
エコマークを活用して繋がる店頭回収リサイクルの輪
<選考委員会評価コメント>
プラスチック製食品容器(トレーなど)を製造する中央化学株式会社は、小売店の店頭等にて使用済み食品容器の自主回収を進めるとともに、リサイクル技術の継続的な開発に取り組んでいる。このシステムで回収した発泡スチロールトレーを原料の一部に使用したエコベンチ(2001年にエコマーク認定を取得)は、消費者にも親しみやすく、店頭回収のリサイクルの輪を広げる優れた取り組みである。また、2015年にエコマーク認定を取得したCHUO A-PET GREENでは、透明のPET容器の原料に再生PET原料を使用するリサイクルに取り組 み、設計上可能な商品にはエコマークを刻印し、消費者とのコミュニケーションに活用している。生産・物流部門の省エネ活動や環境会計の導入、出前授業や工場見学受入等の企業活動も高く評価された。
地域資源を活用した循環型社会の展開
<選考委員会評価コメント>
かつて有数の鉱山地域であった大館市では、優れた鉱石処理技術を活用した数多くのリサイクル事業を積極的に推進している。これらの事業は、民間事業者との協働または市が主体となって展開されており、市民と行政が手を取り合って、循環型社会の形成に向けたまちづくりに取り組んでいるグッドプラクティスである。また、同市において全国に先駆けて収集実験が行われた使用済み小型家電リサイクルは、平成25年に施行された小型家電リサイクル法のモデルの一つとなった。市民へのエコマーク商品購入の推奨や、小・中学校や福祉施設、民間企業と連携したペットボトルキャップリサイクル事業、バイオディーゼル燃料の原料となる廃食用油回収事業、地域住民が多く参加するエコフェアの継続的な開催など、地域に根ざした活動も高く評価したい。
(理想科学工業株式会社)
<選考委員会評価コメント>
ORPHIS FWは、オフィス、官公庁、学校で利用されている、高速インクジェットプリンタである。インクカートリッジおよび機器本体の回収・リサイクル等を推進し、国際エネルギースタープログラムの標準消費電力量の基準値を大幅にクリアするとともに、認定基準の策定当初は高速機では適合が困難とされていた揮発性有機化合物などの放散に関する基準値をクリアするために、長期に渡る研究開発を続け製品化した。さらには日本・エコマークとドイツ・ブルーエンジェルとの相互認証制度を活用しブルーエンジェルの認定を受けた最初の商品であり、国際的な市場への展開も期待される。また、本商品の後に発売された上位機種(ORPHIS GD)では世界最速レベルの印刷速度を誇るなど、高性能と環境性能の両立を実現する企業としての継続的な努力も高く評価された。
(グリーンプラ株式会社)
<選考委員会評価コメント>
グリーンライトバンドは、市場から回収した使用済みのプラスチック(ポストコンシューマ材料)を100%使用したPPバンドである。原料となるフレキシブルコンテナバッグは、工業薬品や飼料、食品等の大量輸送に適しているが、使用段階で様々な異物が混入して汚れてしまうため、使用済みとなった際、埋め立てまたはセメント原燃料として利用されることが多く、再生材料としての利用が難しい。受賞製品は、こうした利用しづらい廃棄物の再利用に取り組み、強度の確保や不純物や汚れの除去等の課題を解決し、製品化に結びつけた点が高く評価された。再生材料としてポストコンシューマ材料の利用が十分に進んでいない中、受賞製品の取り組みは先導的なものであり、業界や他社への波及効果も大いに期待ができる。