「エコマークアワード2022」受賞者が決定しました。
表彰は、2022年12月より各受賞者に対し個別に賞状・トロフィを授与いたします。
ニュースリリース「エコマークアワード2022受賞者決定」(2022.11.24)
フランスベッドの環境への取り組み Action for SDGs
<選考委員会評価コメント>
フランスベッド株式会社は、2006年に初めてエコマーク認定を取得。現在は宿泊施設向け商品をはじめ、一般用マットレスでも認定を取得するなど、環境配慮商品の普及に力を入れている。
同社は、マットレスにおける環境配慮があまり考慮されていなかった時代から、素材の資源循環とロングライフ思想を製品設計に採り入れ、業界を先導してきた。マットレスはその大きさから廃棄時の処理に困ることも多いが、素材と構造の研究・工夫により、機能とデザインを損なうことなく、利用者が自分で分別・解体できる構造を実現していることに驚かされる。こうした工夫は、急速に普及しているサブスクリプションなどのサービタイゼーションと組み合わされることで、より大きな効果を生み出すことになるだろう。
医療・介護分野では福祉用具のレンタルサービスの導入や、介護施設や病院での負担軽減や利用者の使い勝手の追求など、福祉や医療現場での貢献も大きく、社会的な観点からもより注目され、評価されるべき企業である。
【表彰の様子】
写真左:(左) フランスベッドホールディングス株式会社 代表取締役副社長 池田 一実 様
写真右:(左) 経営企画グループFHD経営企画部 副部長 堀越 宏 様、(中) 池田 一実 様
【動画】フランスベッドの環境への取り組み
人工芝用高速排水材「NHドレーン」が海洋汚染対策に貢献
~人工芝が原因となり発生させるマイクロプラスチックを抑止~
<選考委員会評価コメント>
株式会社アークノハラは、再生材料を使用した人工芝グラウンド用ドレーン材「NHドレーン」にてエコマーク認定を取得した。
選考委員会としては、マイクロプラスチックによる海洋汚染について真剣に考え、製品開発を行っている志を高く評価したい。同社は、経年使用により破断した人工芝や充填したゴムチップが排水溝に流出することでマイクロプラスチックとなり、河川や海洋の環境汚染に繋がるのではないかという問題意識から、水は通すが人工芝の破片などは通さないドレーンの開発を思い立ったという。そして研究を重ね、グラウンドに求められる高い排水性能と、マイクロプラスチック流出を抑えるという、一見、相反するとも思われる機能の両立に成功している。原料に再生材を使用するなど資源循環への配慮にも抜かりはない。
直接目にすることのない製品ではあるが、「地域の環境、地域住民、アスリートにやさしいグラウンドづくりの貢献」を目指したものづくりが、持続可能な社会の実現に貢献するものと期待される。
【表彰の様子】
写真左:(左) 株式会社アークノハラ 代表取締役社長 岡本 力 様
写真右:岡本 力 様、営業部の皆様
「緑豊かな黒松林を守り、育む。自然と共生するリゾート」
フェニックス・シーガイア・リゾート シェラトン・グランデ・オーシャンリゾート
<選考委員会評価コメント>
宮崎県の太平洋沿いに位置するシェラトン・グランデ・オーシャンリゾートは、地域の自然環境の保全に熱心に取り組むエコマーク認定ホテルである。
敷地内に植生する黒松林をかけがえのない財産として県・市と協力して保護に努めるほか、県指定天然記念物の「アカウミガメ」の産卵場所である海岸の清掃活動を行うなど、地域や宿泊者と取り組む自然との共生は、これからのサステナブルな観光の見本ともいえる。
リゾートエリアならではの貴重な自然資本を守りつつ、多様な環境配慮活動を推進するために、宿泊客に向けた丁寧な説明が実践されているのも本ホテルの特徴である。客室の適正温度の設定の呼びかけにエコマークを表示するなど、エコマーク認定を活用したコミュニケーションの数々は、他のサービス事業者にも参考となる。
スタッフの環境配慮意識の高さも印象に残っており、環境に配慮した備品の導入や館内のLED化、地元食材の利用、客室でのごみの分別の実施など、一つひとつの取り組みを全員参加で積み重ねてきたことで、環境との共生という理念がスタッフにも着実に浸透しており、さらなる取り組みを期待する。
【表彰の様子】
写真左:(右) フェニックスリゾート株式会社 代表取締役 社長執行役員 片桐 孝一 様
写真右:(右) フェニックスリゾート株式会社 執行役員 シェラトン・グランデ・オーシャンリゾート 総支配人 岩切 美恵子 様、シェラトン・グランデ・オーシャンリゾート スタッフの皆様
【動画】緑豊かな黒松林を守り、育む。自然と共生するリゾート フェニックス・シーガイア・リゾート
身近なエコマーク商品を探す「エコマーククエスト2021」を通した環境問題の気づきとSDGsアクション
<選考委員会評価コメント>
品川区立山中小学校では「山中小学校おやこエコクラブ」として全校児童がメンバー登録し、SDGsに関わる学校教育プログラムや地域での課外環境活動を行っている。
感染症拡大により活動が制限される時期においても、家庭内でできることに取り組み、身近にあるエコマークを探すキャンペーン「エコマーククエスト2021」(日本環境協会主催)に参加。全校児童が商品についているエコマークを探す活動を行った。児童に配布されている教育用タブレットをうまく活用し、取り組みやすい方法を採用したアイデアも光っている。
商品に表示されたエコマークを発見する気づきから、仲間と分かち合うコミュニケーションの醸成、エコマークがついている理由や他の環境ラベルの調査、といった発展的な学びを生み出しており、マークを探すだけではない仕組みづくりは受賞に値する。エコマークの理解が子どもから家庭、社会へ広がっており、コミュニケーションツールとしてのエコマークのあり方のヒントを提示している。地域と一体となった長期の取り組みを評価するとともに、今後の活動も楽しみである。
「クラブへのメッセージ」
エコマークアワード選考委員会より、品川区立山中小学校の皆さんへ。
「山中小学校おやこエコクラブ」は、SDGsに関する学校教育プログラムや地域での課外環境活動を14年間も続けていると聞きました。全校児童がメンバー登録しているなんて大声で自慢してよいと思いますし、きっと皆さんの活動は、応援してくれている保護者や地元の方々を通して、社会へとつながっています。
コロナ禍で思うように活動できない時も、新しい生活スタイルに合わせたやり方で、打ち水やゴミ拾いを続けてくれた皆さんの頑張りにとても感激しています。「エコマーククエスト」(日本環境協会主催)に参加して身近な商品についているエコマークを探してくれたときも、自分から進んで、エコマークが付いている理由や、他のラベルも調べてみたそうですね。タブレットを活用したのはとても良いアイデアだと思いますし、環境問題を自分のこととして考えることができる、とても優れた教育プログラムだと思いました。エコマーク事務局のメンバーも、良いヒントになったのでとても喜んでいます。
皆さんの活動に敬意を表して、エコマークアワード優秀賞を授与します。これからも身近にできる環境活動を続けてください。
【表彰の様子】
2023年2月14日、山中小学校にて全校児童参加による表彰セレモニーを実施しました。同じ品川区に本社を構える三菱鉛筆株式会社(エコマークアワード2022ベストプロダクト受賞)からも参加いただき、地域で取り組むの同社の環境活動を紹介。子どもたちからは同校で集めたリサイクル用の鉛筆630本を、同社に手渡しました。
写真上:山中小学校6年 美化委員長・副委員長
写真下左:(左から)三菱鉛筆株式会社 商品開発部 藤川 恵汰 様、サステナビリティ推進室 行本 顕 様、商品開発部 岡田 都美子 様、山中小学校 美化委員
写真下右:全員で記念撮影
【業界初】ブルーシート水平リサイクル達成のためのモノマテリアルブルーシート
<選考委員会評価コメント>
2000年よりブルーシートでエコマーク認定を取得している萩原工業株式会社は、廃ブルーシートから新たなブルーシートを製造する水平リサイクルプロジェクト「Re VALUE+(リバリュープラス)」を推進。住宅メーカーと提携し、建築現場で使用されたブルーシートを回収し再生するリサイクルスキームを構築している。
この「Re VALUE+」プロジェクトのさらなる発展のため、分別不要でリサイクルしやすい再生材料を60%以上使用したモノマテリアルのブルーシートを開発し、エコマークを取得した。一般製品で使用されるアルミ製のハトメを使わずに強度を確保するなどのアイデアと技術は秀逸であり、水平リサイクルの実現に向けた課題の解決において、一貫生産の強みを大いに発揮している。
災害復興に使用される製品でもあり、耐候性の向上を実現することで危険が伴う屋根や法面等への掛け替えリスクを低減し作業性を高めるといったユーザー目線での開発も怠らない。水平リサイクルの回収スキームが建築現場からさらに土木、農業、産業用途や個人ユーザーなどにも周知・展開されることで、今後社会全体での広がりが期待できる。
【表彰の様子】
写真左:(右) 萩原工業株式会社 代表取締役 社長 浅野 和志 様
写真右:(左) 合成樹脂事業部門 産業資材営業部 HC通販課 黒田 杜季 様、(右) 浅野 和志 様
【動画】【エコマーク取得品】ブルーシートの新スタンダード「ターピー エコフレンドシート」製品紹介
CO2の排出を28.7%抑制できる再生原料50%配合の再生フレキシブルコンテナバッグ
<選考委員会評価コメント>
プラスチックリサイクルを主事業として展開する株式会社パンテックは、プラスチック廃棄物をごみとして処理するのではなく、資源として循環させる持続可能な社会実現のへ貢献を目指している。
ペレット等のプラスチック原料をはじめ、穀物や飼料、土砂などの粉粒体を大量輸送する際に使用されるフレキシブルコンテナバッグ(フレコンバッグ)はバージン原料主体で製造されることが多い中、使用済みフレコンバッグ由来の再生材料を50%使用した再生フレコンバッグを製造し、商品類型No.105「工業用繊維製品」でエコマーク認定を取得した。強度が求められるフレコンバッグにおいて水平リサイクルを実現させるチャレンジを高く評価したい。従来型のフレコンバッグと比較して、新たな化石由来原料の使用を50%抑制、CO2の排出を約28.7%抑制という見える化によるわかりやすさと、通常とは異なるブルーグレーの色味での差別化が、ユーザーとのコミュニケーションにも生きている。今後、使用済みバッグの回収と再生が一層進むことを期待したい。
【表彰の様子】
写真左:(右) 株式会社パンテック 代表取締役 黒木 正明 様
写真右:黒木 正明 様、株式会社パンテック スタッフの皆様
三菱鉛筆株式会社
<選考委員会評価コメント>
本商品は、国内で回収された海洋プラスチックごみとポストコンシューマープラスチック(コンタクトレンズの空ケース)を原料に使用したボールペンである。海洋プラスチック問題の解決に向けた強いメッセージ性と、社会に訴えるインパクトの大きさが選考委員会において高く評価され、本年度のベストプロダクト賞に輝いた。安定供給が難しく、劣化により品質が劣る海洋プラスチックごみをリサイクルする困難は想像に難くなく、製品化に漕ぎつけた事例も数えられるほどである。製品化を可能にした開発担当者の情熱と、同社の技術に拍手を送りたい。
また本商品は、製品に海洋プラスチックごみを10%以上使用し、文具業界で初めて「海洋プラスチックごみを再生利用した製品」認定基準で認定を取得しただけでなく、「文具・事務用品」認定基準におけるポストコンシューマープラスチック60%以上の要件にも適合し、両分野で認定を取得している。また、使用後のリサイクルを見据えて軸部分に金属やゴムパーツを使用しないという徹底ぶりで、全方位型のエコプロダクツに仕上げられている。手に取った方が環境配慮に関心を持ってほしいという想いを込めた、穏やかな海をイメージしたライトブルーの色合いや、コンタクトレンズの空きケースが再生されるという消費者の関わりが感じられる背景もよい。
【表彰の様子】
写真左:(右) 三菱鉛筆株式会社 商品開発部 商品第二グループ 藤川 恵汰 様
写真右:(左) 商品開発部 商品第二グループ グループ長 岡本 達也 様、(右) 藤川 恵汰 様