2016.01.14イベント・セミナー
欧州委員会は2万件を超えるアンケート調査を実施した結果、市民の環境意識は高いものの、現在の環境ラベルは消費者への訴求力が十分でなく、グリーン購入の推進にまだ十分な成果をあげていないことを指摘しました。欧州委員会やフランス政府は、より強い影響力を発揮するため、製品ライフサイクルの環境影響を公表する環境フットプリントの実施を推奨し、制度化に向けた試行事業を20業種を対象にして開始しています。米国では建築(LEED)、事務機器(EPEAT)を通じて、製品等の環境影響を定量的に分析するLCA(ライフサイクルアセスメント)の実施をグリーン調達の要件として挙げています。
デル、ユニリーバ、コカ・コーラなど米国の主要120社で構成されるサステナビリティコンソーシアムは、簡易LCAを基礎としたホットスポット分析の実施を開始し、その成果はウォルマートのグリーン販売へと展開されています。UNEP(国連環境計画) /SETAC(環境毒物化学会)ライフサイクルイニシアティブは、ライフサイクルの中から重要な要素を抽出するホットスポット分析に注目し、分析方法の開発を開始しています。
欧米が開発するホットスポット分析手法は、欧米のデータベースと影響評価手法が活用されます。そのため、日本の技術や環境条件が反映されません。環境影響の誤解と評価手法の誤用が生じると、得られた結果に対する信憑性が低下し、却ってグリーン購入促進の障害になる恐れさえあります。
国立研究開発法人科学技術振興機構(JST)の戦略的創造研究推進事業(社会技術研究開発)研究開発プロジェクト「製品ライフサイクルに立脚した環境影響評価基盤の構築と社会実装によるグリーン購入の推進」(平成26年10月~平成29年9月)では、日本のLCA研究を先導する研究機関が開発した評価手法やデータベースを統合して、最新の評価技法を基礎としたホットスポット分析手法を開発します。これを100種類の製品を対象に解析し、その評価報告書を国、産業界、消費者へと発信します。その研究成果はグリーン調達、購入のための共通基盤として活用されることが期待されます。
本シンポジウムでは、ホットスポット分析を構成するデータベースと評価手法の特徴について解説するとともに、これらを駆使した評価基盤の構成と今後の展望について紹介します。エコプロダクツの開発やグリーン調達・販売・購入に関係する国・自治体、企業、NPOのみなさまのご参加をお待ちしております。
氏名・所属・電話番号・電子メールアドレスを明記のうえ、電子メールまたはFAXにて、以下までお送りください。お申込受付後、受付完了の電子メールまたはFAXを返信いたします。
参加申込:電子メール seminar@ecomark.jp または FAX 03(5643)6257
※申込締切:2/17(水)17時まで
14:00-14:10 開始・開会挨拶
14:10-14:20 エコマーク事業の紹介
14:20-14:30 エコリーフ事業の紹介
14:30-14:45 プロジェクトの概要説明 伊坪徳宏 東京都市大学教授
14:45-15:25 廃棄物産業連関(WIO)と排出・処理・処分データベース開発 近藤康之 早稲田大学教授
15:25-15:40 休憩
15:40-16:10 インベントリデータベースIDEAの特徴とホットスポット分析への適用 田原聖隆 産業技術総合研究所安全科学研究部門グループ長
16:10-16:40 環境影響評価手法LIMEの特徴とホットスポット分析への応用 伊坪徳宏 東京都市大学教授
16:40-17:00 質疑応答とまとめ、閉会
公益財団法人日本環境協会エコマーク事務局 総務・契約監査課
電話:03(5643)6255 FAX:03(5643)6257 電子メール:seminar@ecomark.jp