「エコマークアワード2021」受賞者が決定しました。
表彰は、2022年1月以降、各受賞者に対し個別に賞状・トロフィを授与いたします。
サステナブル型枠建材 大匠パネル
<選考委員会評価コメント>
建築資材・製品の開発製造を行う株式会社KAWASAKIは、鉄筋コンクリート(RC)建造物建築のための型枠パネル「大匠パネル」にてエコマーク認定を取得した。従来の型枠は主に木材を使用し、型枠同士の連結に多くの副資材が用いられ、その施工には熟練の技術が求められるが、システム化された組み立てパネルは現場での難しい職人の技術や多くの資材を必要とせず、工期・費用の削減にも一役買っている。
再生プラスチックを使用したパネルは、繰り返し使用後は再生処理されるルートも確保するなど、一貫した資源循環と持続可能の配慮がなされている。白色の型枠パネルは、現場を明るくし、枠に流し込むコンクリート量が透けて見えるという優れたデザイン性も兼ね備えている。
本製品を製造した背景には、建築業界での職人の減少や輸入木材の不足といった社会的課題を憂い、「建築現場での悩みや苦労を改善したい」という思いが込められている。選考委員会一同は、そのモノづくりに対する企業姿勢にも深く共感させられた。
【表彰の様子】
写真左:(左) 株式会社KAWASAKI 代表取締役 川崎 先和 様
写真右:(左) 取締役 川崎 再和 様、(右) 川崎 先和 様
【動画】KAWASAKI エコマークアワード受賞・大匠パネルについて
エコマークを起点にしたサーキュラーエコノミーへの取り組みとサスティナブル経営の実現をめざして
<選考委員会評価コメント>
業務用・給食用食器類の専門商社である朝日化工株式会社は、リサイクル強化磁器食器、プラスチック製配膳トレーにてエコマーク認定を取得している。使用時に破損した食器を回収し、再生陶土として再利用した強化磁器食器が必要との考えから、「回収」「分離」「再生」の環境整備を行い、サーキュラーエコノミーを念頭に置いた食器を提供している。
2003年からエコマーク認定を継続し、商品本体、カタログやパフレットにエコマークを表示することで環境配慮型商品のコミュニケーションとしてエコマークを広く活用している。学校給食に使用されることにより、児童に対する環境教育の側面でも貢献度が高い。 カーボンフットプリントによるライフサイクル全体のCO2排出量の定量化の試みにより、環境負荷を正しく認識したうえで、CO2排出量の削減やカーボンオフセットに積極的に取り組む姿勢も高く評価された。
【表彰の様子】
写真: 朝日化工株式会社 代表取締役社長 林 育生 様
【動画】エコマークワード2021優秀賞受賞の取り組み
PC業界初のエコマーク認定と環境先進企業としての取組み
<選考委員会評価コメント>
NECパーソナルコンピュータ株式会社は、2000年度にPC業界で先駆けてエコマーク認定を取得し、ノートPC、デスクトップPC、タブレット型PC、ワークステーションなど約1,350機種での登録は業界最多である。
同社は、製品の企画・開発から部品調達、製造まで、環境チェックプロセスとして製品アセスメントやLCAを実施しているほか、エコマークをはじめとする第三者認証の取得をチェックの要所として活用している。こうした環境ラベルの活用方法は、まさに、エコマーク事業の目的である「マークを活用して、消費者のみなさんが環境を意識した商品選択を行ったり、関係企業の環境改善努力を進めていくことにより、持続可能な社会の形成をはかっていく」という理念に合致するものである。製品サイクルの早いPC業界において、省エネ性能やリサイクル設計に優れ、長寿命な機器であるエコマーク認定PCを普及させてきた功績は計り知れない。
SHIROYAMA HOTEL kagoshima 環境への取り組み~豊かな森を次世代へ~
<選考委員会評価コメント>
鹿児島市内・錦江湾を一望する城山に位置する観光ホテル「SHIROYAMA HOTEL kagoshima」は2021年にエコマーク認定を取得。城山を守る、受け継ぐ、という強い使命感を胸に、お客様・従業員・地域社会に「三方よし」の環境配慮活動を実践している。 国の省エネ指標であるホテル業のベンチマークでSクラス(省エネが優良な事業者)を4年連続で達成。ホテル運営にとっても大きな課題である食品ロス削減においては、お客様にしっかりと伝わる協力の呼びかけや、県内に70か所あるこども食堂への無償提供などお客様、地域社会との連携により発生抑制を図っている。
SDGs推進の取り組みを社内から募るためにホテルの全部署が参加するコンテストの開催は、同業種はもとより他業種でも見習うべき点があり、調理残渣の堆肥化など、そこから生まれて実装された取り組みも多い。エコマーク認定取得を機に客室のゴミ箱を分別式に変更するなど、従業員一同の本気度が伝わってくる。チームワークと創造力、チャレンジ精神に秀でたホテルであるとの印象が強く残った。
【表彰の様子】
写真左:(左) 城山観光株式会社 代表取締役 東 清三郎 様
写真右:(左) 常務取締役/ホテルオペレーション本部長・SDGs推進室副管掌 保 直延 様、(右) 東 清三郎 様
【動画】エコマークワード2021優秀賞受賞の取り組み
【動画】エコマークアワード受賞コメント
野村不動産グループホテル一体となった環境配慮への取り組み
<選考委員会評価コメント>
野村不動産グループホテルは、「庭のホテル 東京」、「NOHGA HOTEL UENO TOKYO」、「NOHGA HOTEL AKIHABARA TOKYO」の直営3ホテルにてエコマーク認定を取得。
比較的、築年数の新しいこれら3ホテルは、まず、ハード面での環境性能を高めるために設計段階から多大な努力を払ってきている点が印象に残る。その結果、上質で都会的な佇まいと、他のホテルを大きくリードする省エネルギー性能や緑化空間の広さを見事に両立させている。また、2030年までに2019年度比35%減というCO2排出削減目標を設定し、その一環として業界に先駆け「非化石証書」の活用による「CO2ゼロプラン」を導入。ホテルの調達電力を実質的に再生可能エネルギー100%・CO2 排出量ゼロとしており、脱炭素を強く意識したホテル経営も高く評価したい。こうした取り組みが、お客様やステークホルダーに向けたコミュニケーション活動とも相まって、3ホテルの明快な差別化ポイントともなっている。
近隣企業や地域とのコラボレーションで生まれたアメニティ等の備品やアートは魅力的なデザインのものばかりで、洗練された環境配慮のメッセージを受け手に伝えており、3ホテルが狙った「外部との連携による価値創造」の成果が感じられた。
【表彰の様子】
写真左・右:(右) 野村不動産ホテルズ株式会社 代表取締役社長 青木 秀友 様
【動画】エコマークワード2021優秀賞受賞の取り組み
パレスホテルのサステナビリティ活動について
<選考委員会評価コメント>
東京・丸の内にあるパレスホテル東京は、2021年にエコマーク認定を取得。
1990年代後半にCSRの概念が広まる以前から、近隣での清掃活動や生ごみの肥料化にいち早く取り組み、その後も直近のグリーン電力の活用に至るまで、様々な視点から活動を進めている。世界が環境に大きく舵を切る前に取り組みを開始した先見性もさることながら、その後も飽きることなく一貫した姿勢で取り組みを加速させてきた継続性こそ、今回の受賞のポイントである。また、従業員エリアでのポスター展示や、社内イントラネット「サステナビリティ連絡会」ページでの情報発信、従業員食堂で肉食について考える機会を提供する「ミートフリーマンデー」の開催など、日々の業務で持続可能性に配慮することが当たり前になるような、従業員とのコミュニケーションの上手さも光った。
新たに制定されたサステナビリティコンセプト「未来を、もてなす。」では、環境側面だけでなく、ダイバーシティや地域社会への貢献など、SDGsにも掲げられた様々な社会的課題への対応も盛り込まれた。このコンセプトのもと、子ども食堂等への定期寄付活動など新たな取り組みも生まれており、パレスホテル東京の今後の進化にますます期待したい。
【表彰の様子】
写真左・右:(右) 株式会社パレスホテル パレスホテル東京 専務取締役 総支配人 渡部 勝 様
カシオ計算機株式会社
<選考委員会評価コメント>
本商品は、ラベルライターLateco用の詰め替えテープとして2020年8月にエコマーク認定を受けている。従来のラベルライターは、テープ部分の交換はカートリッジ全体を取り換えることによって行われるが、本商品ではテープ部のみの交換が可能となっている。カートリッジ自体を無くしたことで、最終的に廃棄されるカートリッジ部分のプラスチックが、同社の類似製品と比較して97%削減されている。そのため、使用者にも省資源が実感できる商品である。
カートリッジ自体を無くしてしまったアイデア・発想の転換も素晴らしいが、プラスチックの使用削減、ごみを減らすことに着目した製品開発と、それを柱としたマーケティングができるカシオ計算機の経営哲学にも敬意を表したい。こうしたグッドプラクティスが、他の製造業も含めて、新しい視点での製品開発の手本となることが期待される。
【表彰の様子】
写真左:(左) カシオ計算機株式会社 常務執行役員 開発本部長 持永 信之 様
写真右:(左) 開発本部 第一開発統轄部 第一開発部 EC企画室 三改木 里美 様、(中) 持永 信之 様、(右)開発本部 第一開発統括部 第一開発部 部長 村井 靖 様
【動画】エコマークアワード受賞の取り組み
【動画】エコマークアワード受賞コメント