エコマークと資源循環(再生プラスチック編)
資源循環と経済の両立を目指す資源循環経済政策を背景に、リサイクル製品の市場の急速な拡大が予想されています。その巨大な需要と供給を支えるためには、リサイクル製品のトレーサビリティを確保するための信頼できる認定制度が不可欠です。
エコマークにおける再生材料(リサイクル製品)の認定は、エコマークが誕生した1989年に制定した商品類型No.13「廃プラスチック再生品」まで遡ります。以来、35年以上にわたって再生プラスチック、古紙、再・未利用木材、建築廃材等を利活用した製品の認定に取り組んできました。エコマーク認定商品の半数近くが資源循環(再生プラスチック等)に関する製品であることもあり、エコマーク=リサイクル品の認定というイメージが広く社会に定着しています。
幅広い再生材料を取り扱う認証機関としての専門性と、エコマークが付与されたリサイクル製品の認知度の高さはエコマークの大きな強みです。
- エコマーク認定商品(物品)の7割が資源循環に関わる基準で認定されています。
そのうち65%は再生プラスチックを使用した製品です。
- 50の商品分野で再生プラスチックの基準を設定しています。
基準配合率は製品により異なりますが、多くは再生プラスチック50~70%(ポストコンシューマ材料の場合は25%~60%)が基準値です。
バイオマスプラスチックの基準は25の商品分野に設定しています。
No. | 商品類型 | 分類 |
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101 | かばん・スーツケース(Version1) | B. 布製ショッピングバッグ、トートバッグ |
103 | 衣服(Version3) | |
104 | 家庭用繊維製品(Version3) | |
105 | 工業用繊維製品(Version3) | |
109 | タイル・ブロック(Version2) | |
112 | 文具・事務用品(Version2) | |
118 | プラスチック製品(Version2) | |
123 | 建築製品(内装工事関係用資材)(Version2) | B-2. 障子紙、襖紙 C-1. ボード C-2. 畳 C-3. 壁紙 C-6. ビニル床材 C-7. タイルカーペット D-1. 階段滑り止め D-2. 点字鋲 D-3. フリーアクセスフロア D-4. アコーディオンドア |
128 | 日用品(Version1) | A. 食器 B. 台所・食卓・ランチ・レジャー用品 C. 台所用水切り、廃食用油吸収材、食用油濾過器 D. 洗たく・風呂場・サニタリー用品 E. 清掃・収納用品、室内装飾・芸術品 G. 化粧用具、家庭医療関連用品 H. ペット・園芸用品 I. ゴムホース・手袋・マット等ゴム製品 K. 空き缶回収機器 M. その他 |
130 | 家具(Version2) | |
131 | 土木製品(Version1) | E. 造園・緑化材 F. 舗装・道路用材 G. 仮設材 H. 上・下水道材 I. 橋梁・河川・港湾用材 J. その他資材 |
137 | 建築製品(外装・外構工事関係用資材)(Version1) | A-1. ルーフィング B-1. 屋根材 C-1. 外装材 D-1. プラスチックデッキ材 D-2. 木材・プラスチック再生複合材 |
138 | 建築製品(材料系の資材)(Version1) | A-1. 建築用石材 B-1. 排水・通気用硬質ポリ塩化ビニル管 B-2. 宅地ます C-1. 左官材 |
139 | 建築製品(設備)(Version1) | B-2. 防水パン |
140 | 飲食料品、化粧品、家庭用品などの容器包装(Version1) | D. PETボトル(容器) G.再生プラスチックを使用したプラスチック製容器包装 I. プラスチックを使用した多重容器包装 J. 容器包装用プラスチック製資材 |
143 | 靴・履物(Version1) | B. ゴム製・プラスチック製・繊維製靴 |
164 | 海洋プラスチックごみ、漁業系プラスチック廃棄物を再生利用した製品(Version1) |
≪参考≫
日本国内のリサイクル製品に関わる動き
- 「プラスチック資源循環戦略」(2019年)
2030年までに再生利用を倍増、バイオマスプラスチック約200万トン導入を掲げる。 - 「プラスチックに係る資源循環の促進等に関する法律」(2021年)
プラスチック使用製品の設計から同廃棄物の処理まで、資源循環の取組を促進するための措置を規定。
海外のリサイクル製品に関わる動き
- EU「サーキュラーエコノミーアクションプラン」(2020年)
原材料採取から廃棄までの従来の線形モデルから、廃棄物の発生を最小化し、製品や資源の循環型経済への移行を目指すための行動計画。製品のリサイクル材利用率の向上を掲げる。この行動計画にもとづく「持続可能な製品のためのエコデザイン規則(ESPR)」では、対象品目について再生材料の使用や、「デジタル製品パスポート(DPP)」の添付を義務づけている。DPPには、再生材料の含有量の情報も含まれる。